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ビーッビーッビーッビーッ…
ああ、もう時間か。この音は、隣の部屋にいる小宮さんがボタンを押した音だ。
患者用の休憩室は、ドアを閉じると同時に音もなく鍵が閉まる。そしてドア近くのボタンを押すと、診察室と隣の監視室(親族の様子見や、看護師の援護の為に設置されている。)にブザーが鳴りはじめる。まあ、廊下まで聞こえる音ではないので、それほど喧しいものではないが…。
ボタンを押しても、鍵が開く訳ではない。なのでこの音を聴いて、俺が直接出向くことにしている。
俺は慣れた手つきで鍵を取り出す。
さて、始めようか。時間は昼の2時を回っていた。
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