フレンド

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 *****  二人の同居は十月になっても続いた。レオは生活費を入れつつ、家事のほとんどを春人の代わりにこなしていた。それは春人にとってありがたいことだった。  その日の夕食もレオが作った。春人は彼の作ったオムライスを見て感嘆の息を漏らす。それは春人が普段作るものより、また春人と北見が作ったものよりも綺麗な見た目をしていた。 「上手いな。さすがカフェで働いているだけある」  春人が褒めると、「そんなことないよ」とレオは謙遜した。 「春人だって、飲食店でアルバイトをしているんだろう?」 「僕はホールのほうが多いから」  春人が肩をすくめると、「確かにきみは接客のほうが似合いそうだ」とレオが言った。褒め言葉なのか否かわからず、春人は複雑な気持ちになった。  オムライスは味のほうも一級品だった。隠し味に何かを入れているらしい。参考のためにと何を入れたのか尋ねたが、 「教えたら『隠し』味じゃなくなるじゃないか」  そう言ってレオは笑い、答えてはくれなかった。
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