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ーー二年後ーー
芥がいつものように道場で稽古をしていると、がらりと開いた戸の隙間から和尚の顔が覗いた。
「篝、ちと一休みせんか?」
「はい」
そう返事をし振り向いた芥の顔立ちは、まだあどけなさが残ってはいたが、背や手足が伸び、身体の線はしなやかな曲線を描き、少しずつではあるが少女から大人の女性へと成長していた。
「近頃は一段と精が出ておるのう」
「先生を、がっかりさせたくなくて」
そう言って芥が微笑むと、和尚もつられるように小さく微笑んだ。
芥が伊東と別れてから二度春が過ぎ、蒸し暑い夏も終わって秋を感じる季節になった。
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