第十章 さようなら

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修行が早く終わったのだろうか。 本当に彼が帰って来たのだろうか。 鼓動が高鳴る。 逸る気持ちを必死に抑えて、慎重に石段を降りる。 楓の葉が風で揺らいで、葉が擦れる音が鼓膜をくすぐった。 もしかすると勘違いかもしれない。けれど何とはなしに、芥はここから何かが変わるような気がしていた。 了
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