309人が本棚に入れています
本棚に追加
遅い朝食をとったら、お父様から呼ばれた。
きっと、昨日のことを叱られるんだ。
絹川さんに謝罪して改めて、って。
そんなの、認めない。
私は章史さんを選んだんだから。
お父様の部屋の前で、章史さんがいつものようにあたまをぽんぽんしてくれた。
それだけで落ち着ける。
ひとつ深呼吸して、ドアを開けてもらった。
「お父様、お話って……」
「いやー、めでたい!」
「は?」
私の声を遮るように、上機嫌なお父様の声に困惑した。
「いつ云うのか賭けてたのに、おまえたちなかなか云わないんだもん。
お父さん、冷や冷やしたよ」
「え?」
最初のコメントを投稿しよう!