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なにを云っているのかわからなくて、章史さんと顔を見合わせてしまう。
「都子は章史を選んだから、賭は俺の勝ちだな、敏史(としちか)」
「章史の方から強引に選ばせましたので、一概にはそうとは云えないかと」
「えー」
いやいやいや、ちょっと待って。
お父様と八尾さんはいったいなんの話をしてるの?
「知らないと思ってたのか?
おまえたちが互いに想い合ってること。
まー、お父さんは章史に跡を継がせるの、別にかまわないし」
「不肖の息子にそんなことを云っていただいて、光栄でございます」
え?
もしかして、知らなかったのって私たちだけ?
目があうと、章史さんは苦笑いしてた。
なんか、いろいろ悩んで損した気分。
「それで、だ。
おまえたちのことは認めるが、条件がひとつある」
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