晴天の霹靂

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―気がつくと私はベットの上だった。 部屋のスタンドライトだけが灯っていた。 着替えも済んでいて、汚したはずの床も綺麗に片付けてあった。 時計を見ると深夜1時を過ぎていた。 私はそっと起きて、トイレに立った。 トイレを済ませると下の階にお水を飲みに降りた。 リビングの扉から明かりが漏れていて、話し声が聞こえる。 「まさかこんなことになるなんて…お父さんが生きててくれたら」 母の声。 「俺が表に出るよ。籍を入れる前が不幸中の幸いだ」 兄のため息混じりの声。 「本人の心の傷が一番心配です」 美波ちゃんの声だ。 3人でリビングのソファーに座って話をしている。 「梨沙子ちゃんが相手だから余計に傷は深いわ。親友も婚約者も…一度に二人に裏切られたわけだから」 母の声が聞こえて、真実だったんだと理解した。 私は後退りして部屋に戻る。 夢じゃない、本当だったんだ…。
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