16705人が本棚に入れています
本棚に追加
夕陽が沈む様子を二人で並んで眺めた。
賑やかなパーティーの声を聞きながら、穏やかで幸せな時間だった。
「葵の実家って隣の県だっけ?」
「そう」
「ここからどれくらいかかる?」
「えっ?…2時間くらいじゃない?」
「2時間か…」
秋は時計を見る。
「明日仕事休み?」
「うん。秋は?」
「俺も」
秋はそう言って何か企んだようにニヤッと笑った。
「葵の生まれたところ、見に行こうか」
秋の発言に驚く私。
「お酒飲んでるでしょ!?」
「だからこの酒が抜けたら」
秋はもう一度時計を見た。
「朝方に出発しよう。そしたら、明日中には東京に戻れる」
驚き過ぎて何も言えない私に、秋が顔を覗く。
「葵?イヤ?」
「…イヤじゃない」
二人で顔を見合わせて笑顔になる。
「よし、会場戻るか」
秋と二人でパーティー会場に戻った。
最初のコメントを投稿しよう!