デート

17/19
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
それなのに、手元のスマホが視界に入った。 寝る前に、声が聞きたい。優の。 別に、優の声を子守歌に、とかそういうのではない。 ただ純粋に、あの優しい声を聞いておきたかった。 もう寝ているかもしれないし、出ないだろうか…と思いながら電話をかけた。 しかし、予想を裏切った。良い意味で。 『真、どうした?』 「あ、えっと…ごめん。ちょっと、声聞きたくなった、だけ…」 直接対峙しているわけでもないのに、緊張して口が渇く。 『ん、そっか。いいよ。何か話す?』 そんな俺の状況を察してかは分からないが、眠そうな声音と共に温かみが込められていた。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!