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それなのに、手元のスマホが視界に入った。
寝る前に、声が聞きたい。優の。
別に、優の声を子守歌に、とかそういうのではない。
ただ純粋に、あの優しい声を聞いておきたかった。
もう寝ているかもしれないし、出ないだろうか…と思いながら電話をかけた。
しかし、予想を裏切った。良い意味で。
『真、どうした?』
「あ、えっと…ごめん。ちょっと、声聞きたくなった、だけ…」
直接対峙しているわけでもないのに、緊張して口が渇く。
『ん、そっか。いいよ。何か話す?』
そんな俺の状況を察してかは分からないが、眠そうな声音と共に温かみが込められていた。
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