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デート
真side
触れられた唇を、そっと人差し指で撫でる。数度経験していることだけれども、まだまだ慣れそうにない。
…いや、慣れてしまうのは怖い。
過ごしやすい秋空の下ならいざ知らず、さすがに夏の炎天下にい続けるのは耐え難い。
その日の夜、就寝前に一本の電話がかかってきた。
誰か、と思えば優からだった。
忘れものでもしたのかと思ったが、それらしきものはなかったはず。
「もしもし」
『もしもし。今日さ、どっか行こうって言ったじゃん?』
とりあえず、出ないわけにはいかないので出てみたら、遊びに行く話だった。軽くそうだと返答した。
『それでさ、再来週で遅くなるんだけど…遊園地とか行かないか?』
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