心の垣根

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「バートと話したんだけど、あいつ、スラムに戻るってさ。貴族は気が狂ってるって。三日くらいで出てくと思うからそれまでよろしくな」 「おう。結界の位置また変えるかな。畑は畑で覆えばいいし」 「そんなことしたらあいつ来んじゃねーの? ピンクの」  ああ、ありえる。あの目で押し切られたら不味いかと悩んでいると、なんで悩むのかと聞かれた。 「いや、あいつの右目の色が好きでさ。つい近寄っちゃうんだよな」  なので出来るだけ会わないようにしているんだと教える。 「そんなんで王都までよく無事だったな」 「いやー、かなり危なかった。もう数日かかってたらアウトだったかもな」  気づかずキスとかしてそうで怖い、と笑っていたらリオに睨まれた。 「笑い事じゃねーだろ。気をつけろよ」 「お、おう、すいません」  風呂入って寝る、とリオが立ち上がったので、そうだな、と俺も立ち上がる。 「あ、こっちの風呂入るか? 実は屋上にあんだ」 「は? 屋上って……ああ、結界か」  厨房を抜け居間を通り過ぎ廊下へ出る。 「あ、俺こっち初めてだ。階段があるし」 「おう、そっちが書斎で寝室に繋がってる。書斎までなら入ってもいいぞ」  階段を上がり、屋上へ出てお湯を溜める。 「うし、準備万端。入るか」  服を脱いでいたらじと目で見られ、え、何? とリオを見返す。     
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