1305人が本棚に入れています
本棚に追加
/174ページ
「バートと話したんだけど、あいつ、スラムに戻るってさ。貴族は気が狂ってるって。三日くらいで出てくと思うからそれまでよろしくな」
「おう。結界の位置また変えるかな。畑は畑で覆えばいいし」
「そんなことしたらあいつ来んじゃねーの? ピンクの」
ああ、ありえる。あの目で押し切られたら不味いかと悩んでいると、なんで悩むのかと聞かれた。
「いや、あいつの右目の色が好きでさ。つい近寄っちゃうんだよな」
なので出来るだけ会わないようにしているんだと教える。
「そんなんで王都までよく無事だったな」
「いやー、かなり危なかった。もう数日かかってたらアウトだったかもな」
気づかずキスとかしてそうで怖い、と笑っていたらリオに睨まれた。
「笑い事じゃねーだろ。気をつけろよ」
「お、おう、すいません」
風呂入って寝る、とリオが立ち上がったので、そうだな、と俺も立ち上がる。
「あ、こっちの風呂入るか? 実は屋上にあんだ」
「は? 屋上って……ああ、結界か」
厨房を抜け居間を通り過ぎ廊下へ出る。
「あ、俺こっち初めてだ。階段があるし」
「おう、そっちが書斎で寝室に繋がってる。書斎までなら入ってもいいぞ」
階段を上がり、屋上へ出てお湯を溜める。
「うし、準備万端。入るか」
服を脱いでいたらじと目で見られ、え、何? とリオを見返す。
最初のコメントを投稿しよう!