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塔と神殿
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ジルに宰相との話を伝え、近いうちに行ってくると話していたら、サヤがお早めにお戻りくださいと言っていた。
「あの、仕分けは俺の仕事じゃないんですよ? わかってますよね?」
無表情で執務室から出て行ったけど、無視ですか。さすがですサヤ様。
相手のところで教えるとなると、暇つぶしが必要だろう。本と、本と、金属板と工具と紙の束と筆記用具と、着替えは暗緑色のコートの型で作った瑠璃色のコートにして、寝間着のシャツもかな。着ていくのは白チャイナもどきでいいし、よし、準備は完璧、と背負い袋二つを居間のところに置いておいた。
フォール君のメダル型は、在庫を魔術士ギルドに預けているし、いつでも行けるぞと気合を入れていたが、宰相からのゴーサインは五日も後だった。少しテンションが下がって落ち着きました。
馬車ではなく馬で行くことにしたので、白チャイナもどきを袋に入れて瑠璃色コートを着て出発した。
王都から馬で二十日以上かかる、かなり離れた街へ着いた時には、テンションが下がりきっていた。こんなに遠いとは思っていませんでした。途中でお風呂へ入りに自動ドアを使った。
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