旅立つタケル

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  更に言えば、通常の軍事作戦では、 敵の中枢を征圧したり、重要都市を占領する事なども必須だろう、 ・・・だが彼らの目的は「政権奪取」でも「国家樹立」でもない! 制圧した地域を守る必要すらないのだ。 そのことが、人員不足という致命的ハンデを解消する事に繋がっていたのである。 いまや、政府軍自体がレジスタンスのように散発的な反撃を試みるだけである。 そして当然、元から政情不安定な地域では、 最初から存在していた反政府系の組織が息を吹きかえしはじめ、 例え騎士団が近くにいなくても、 常に戦火が絶えない状態になってしまっていた・・・。 それは日本においても同様である。 住宅街への直接的な攻撃はないが、 米軍基地・自衛隊駐屯地はあっという間に機能を封じられた。 もちろん、官公庁・発電所・大都市などの経済的な施設はいの一番に狙われ、 運悪く、その地で働いている者は無残にも命を失っていた・・・。 高速などの幹線道路も破壊され、 日本の都市機能は完全に麻痺してしまっていたのである。 そして・・・彼は・・・。  
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