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「わたしは、そう思えないから、無理」
断ると、
「俺、知ってるよ」
「なに? 今度はなにで脅す気?」
わざと警戒する振りをする。今のわたしには隠したいことはなにもない。
「美優さんが、そんなに俺のこと嫌いじゃないってこと」
少し的外れだなと思ったけど、言わなかった。今は、それくらいが丁度いい気がした。
「それは、間違ってはいない」
「じゃあ、契約は成立で」
差し伸ばされた手を、わたしが指ではじくと、柊碧人は笑った。
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