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「何やってんのよグズ。ひぃひぃ言ってないで、アタシをさっさと産んでよね。
本当はアンタの子になんか生まれたくないけど、身近な血縁はアンタしかいないから、アンタの子になってあげる。
幸いこの体は五体満足で病気とかないから、今度こそ楽しい一生を過ごせるわ」
絶対嫌だと瞬間的に思った。
こんなに苦労して受け子供が、あの妹の生まれ変わり? だとしたら生まれてくれなくていい。
産みたくない! こんな子供、産みたくない! あんな奴を産みたくない!
…気づいた時、私は病室のベッドに横たえられていた。
隣に立つ夫の様子で、赤ん坊が死産だったことを悟ったけれど、妹が死んだ時同様、悲しいとはまるで思わなかった。
酷い母親だと自分で思う。でも、あの妹に振り回されてきた姉としてはこの感情はおかしいものではない。
この先、また子供が授かるかもしれない。でももしそれが妹の生まれ変わりだったら、私は必ず殺すだろう。
こんなとんでもないことを考える女は、今後母親になる資格などないのだろう。
でも実際そう思ってしまうのだ。だから…二度と私の子供に生まれ変わろうなんて思わないように。
姉妹…完
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