第1章『再会と石』

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そこには案の定、オーロラと地球滅亡説の関連性について議論がかわされていた。 異常気象が起きる毎に、こうして地球滅亡説が浮上していると地球がいくつあっても足りないじゃないか。 少し呆れ気味に「地球滅亡なんて」と呟くと、電話の向こうの母親が「丞聞いてるの?」と少し苛立った声で尋ねてきて、慌ててスマートフォンの電源を落とした。 「まさか、丞までそんなつまらない噂を信じているんじゃ無いでしょうね?」 母の軽蔑するような声。 「まさか」 てか逆に信じている人の方が希少だよ、と心の中で続けた。 「それじゃあ、しっかり勉強しなさいよ」 「ああ、何度も言わなくても分かってるよ」
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