第1章『再会と石』

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「あれ、この石って……」 テーブルの上に並べられた石を交互に見比べながら手にとって目の前で掲げる。 ギザギザになっている部分をそっと指でなでた。 「三つとも、ひっつくんじゃないか?」 「ホ、ホントだっ!」 テーブルの上に石をつめて並べれば、そのかけた部分とかけた部分同士が見事にピッタリとくっついた。 そして知念と俺は石の表面を見て目を見開いた。 「これ、まじで古代文字なんじゃ……」 「ヒエログリフだね」 知念は至って冷静に言ったつもりらしいが、その興奮は隠しきれていなかった。 知念は緩む口元を抑えながら、そっと石に触れた。 ヒエログリフ、別称神聖文字は古代エジプトで使用された三種の文字のうちの一つだ。
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