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知念はショルダーバッグから真っ白なタオルを取り出してそれを全てタオルで包んだ。
「これ、ちょっと借りてていい?」
「別にいいけど、どうするんだ」
「歴研の卒業生で考古学者になった人がいるから、その人に見てもらおうと思う」
まだ興奮の冷めない口調で、知念は早口にそう言った。
「今度、都内でその人が監修した展覧会があるんだけど、それに誘われてるんだ。その時に見てもらうよ!あっそうだ、ゆっことタクも一緒に行こう!この石は三人のものなんだし」
知念は「それがいい、みんなで行こう!」と、名案だとばかりにうんうんと頷きながらそう言う。
これと言って重要な予定がなかったのは相変わらずで、二つ返事で迷わず頷いた。
そして、優子にも伝えるべく早足で自習室へ向かった。
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