第1章

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そんな空気は御構い無しの中川さん。 そんな中川さんに目を向けずに成宮さんが私に話しかけた。 「そういえば坂野、カッコいい彼氏候補とはどうなった?」 成宮さんが言うカッコいい彼氏候補とは私と同じ年の郵便局員で、よくメールしてるのを成宮さんに目撃されていたからたまに話には出てくるくらいでカッコいいとは思っていたけど彼氏候補ではない。 「え?…あ、綾部君ですか?彼氏候補というより話しが合うってだけですよ」 私が素で答えると成宮さんの机の下にある足は向かい合って座ってた私の脛を蹴った。 「いってー」 足をさすっていると中川さんが私の顔を覗き込む。 「どうしたの?」 その近さに驚きつつも「大丈夫です…机にぶつけただけですから」しか言えない。 成宮さんは中川さんが嫌いみたいだ。理由は知らないけど…。 成宮さんとの仕事を終えて用事があり窓口へ行くと中川さんがすぐに窓口へ入って来た。 「あのさ、今度ごはんとかい…「あー、坂野!次の仕事だ、早く来いよ!急ぎだ!」 すかさず後ろから成宮さんが窓口に入って来て中川さんの話しを妨害した。 「いいよ、行ってきて!また今度ね」 そういう中川さんに「すみません」といって窓口から事務室に戻ってきた。 私が成宮さんのいる部屋に行くと成宮さん超不機嫌。 「お待たせしまし…「坂野さ、中川に対する危機感持ちなって!」 部屋に入るなり成宮さんにそう言われ、私がポカンとしていると…
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