第1章

9/33
前へ
/66ページ
次へ
「言ったよね、坂野は中川に狙われてるって!」 私は立ち尽くしていた。 成宮さんは椅子をクルンと私の方に向けるとトーンを下げた声で「あいつ下心見えまくりなの!」とさらにポカンとすることを言った。 「え?私にですか?」 「そう」 「中川さんが?」 「そうだって!あいつ、興味ない奴にはトコトン嫌味ばかり言う癖に坂野には最初から嫌味なんて言わなかったばかりか物凄い包容力を見せつけてきてる!あー、気持ち悪い!しかも隠れてコソコソ誘うあたりがいやらしい!あんたも肝心な所で抜けてるし、甘える相手が違うし!」 成宮さん、トコトン嫌いなんだ… 嫌い… 嫌い…?? あれ? 嫌いな人に対してこんなに言う人だったっけ?理不尽に責めたり悪口言ったり絶対しない人だったのに…。 「成宮さん、中川さん好きですか??」 なんとなく出た言葉。 「は?なんでそうなる!」 だよね。 「ですよね」 「あいつが嫌いすぎる!気持ち悪い!」 え~理由とかなしに拒絶反応?
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加