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──君を想う。  目を瞑れば君に逢える──  一本の線路が、荒涼たる原野を二つに隔てている。こっち側と向こう側は、似て非なる世界がある。  向こう側のプラットフォームには僕の事を待ってくれている最愛なる女性の姿が見える。     カクテルハットを頭にのせて、袖の膨らんだ半袖ワンピースに、白いレディースシューズを履いている。  彼女はいつも乗車口の先頭に並んでいた。他の人が居ようがいまいがそうしていた。  列車が到着しても、乗車することはしない。だからみんな先頭の彼女を追い抜いていく。  列車がどこか遠くに走り去ると、プラットフォームはまた彼女一人になる。そんな光景を今までさんざん見てきた。  僕にはこれが夢なのか幻なのか、はたまた現実なのか判断がつかなかった。  何故か決まって同じ光景を見てしまう。
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