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「あっ、いい…、です。夜、さん。…あぁ…」
「んっ、そんな。…強く、吸うな…っ、て。もぉ。…保たない…」
更に動きが激しくなってわたしの奥もびくびく震え始めた。…ああ、もう。
…いきそう…。
「…あ、何だ。こんなとこで、よくやるなぁお前ら。…夜、大丈夫か?」
落ち着いた冷静な声が戸口からかけられ別の意味でびくんとなる。前と背後の男たちが身体を硬直させて背筋を伸ばしたのがわかった。
「あ、う、マネージャー。…すいません、あの。…これは」
加賀谷さんの平静な声が耳に届く。
「いやまぁ、いいよ。夜本人の同意さえあるんなら。でも、そいつ今日もうかなり消耗してるから。そこで終わりにしてやって、延長なしで。…済んだらその子、俺の部屋に連れてきて。服と鞄も一緒にね」
「あ、はい」
パタン、と音がして扉が閉められる。ちょっと何とも言えない気分。こんなとこ思いきり加賀谷さんに目撃されるとは。いやラウンジのフロアでしてることも全部彼の目に入ってることはとうに承知の上なんだけどさ。
「…う、びびったぁ…」
「怒られるかと思った…」
二人は一瞬ぐったりと身体の力を抜き緊張を解いた。大柄な方がしみじみと呟く。
「夜ちゃんはマネージャーのお気に入りだからな。こんなとこで、目を盗んで悪戯してるとこ押さえられたら。首が飛ぶかと思った」
「そんなことないよ」
わたしはびっくりして口からそれを外して答えた。だって、黒服の子の欲求に応えてやれってあの口から直々に言われたのに。機嫌損ねる訳ない。
でも。わたしはちょっと苦い気持ちで考える。それでも、実際やってるとこを目の当たりにされるのはこっちもあまり嬉しいもんじゃない。今更恥ずかしいわけでもないし、何でなのか上手くは言えないんだけど。
先輩の黒服がわたしの頭を抱えて有無を言わさず再び咥えさせる。
「ほら、途中で止めない。延長なしって言われちゃったから、これで終わりにしなきゃだからね。いっぱい舌遣って、吸いついて満足させてよ。…しょうがない、続きはまた今度ね。次こそ俺がそっちでお願いするから。…あぁ、…めっちゃいいよ、夜。…んっ、もう。…出る…」
再びバスローブを纏い休憩室を出た。後輩くんがわたしの身体を支え、先輩の方が荷物を手にしている。今日はもうフロアに出なくてよさそうだ。さすがにもう限界に近い。少し安堵する。
不意に先輩の方が口を開いた。
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