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コンビニであんぱんを買った。小さいあんぱんが5つ入って税込100円だ。
公園に寄って用意していた空きペットボトルに水を汲む。
そして、聖地に戻った。
隣のじいさんは横になっていた。
今朝からほとんど動いてないように見える。微かに足が震える。
「じいさん、大丈夫かい?」
気になって声をかけた。
「ああ、あんたか、大丈夫だ」
「今日は収穫、あったかい?」
「いや、風邪ひいたみたいでな。一日お寝んねだ」
「じゃあ、飲まず食わずか」
「…」
じいさんのまわりには食べた形跡が何もない。
手元のあんぱんを見た。寄付のニュースが頭をよぎる。
「あんぱんは好きかい?」
「ああ好物だ」
「これ食べな。3兆円分だ」
あんばん2つを残し、3つ入った袋をじいさんの枕元に置いた。
「すまねえな」
わかるはずのない私の冗談には触れずに、じいさんはそう答えた。
私は苦笑いをした。
それは下手な冗談を言ったからか、冗談を無視されたからか、わずかなあんぱんをじいさんにあげてしまったからか、自分でもよくわからなかった。
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