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「部長、専務昇進おめでとうございます」
「樫田君か、いや、めでたくもないよ。私は専務、いや、新社長についていただけだからね、運が良いコバンザメさ」
「いえ、”新”専務の働きっぷりは普通じゃありませんから。当然の結果です。奥さんや娘さんもお喜びでしょう」
「どうだろうね。喜んでくれるとは思うが…」
課長に昇進したときはささやかな家族パーティをした。
「そうなのね」
部長昇進のときは妻はそう言っただけだっだ。パーティどころかロクに話す時間もなかった。
私の時間は仕事で埋めつくされていた。
妻と娘の時間は何で埋まっていたのだろうか…
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