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そんなに広くない墓地を出て、いつも小学生がよく通る道を学校に向かって歩き出した。地元の小学校なら生きていた頃に通っていたかもしれない。この辺は高い建物がないから墓地を出てすぐに小学校は見えた。
歩きながら少し期待しつつも、全く見覚えのない家、店、歩道橋が現れて少し不安にもなった。歩道橋を渡って道なりに行くと小さな橋が架かっていた。橋の下にはわずかな水の流れがあった。
その橋を渡ると目の前に広々とした校庭が現れた。校庭と脇道の間は背の高い木で区切られている。
校庭をぐるりと回って正門まで来てみると重く冷たい鉄の鎖がしてあった。今日は休日だった。どおりで静かだ。
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