ループ20

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生パスタと自家製ピザが人気のイタリアンレストラン。 いつもは22時半にマネージャーが店の戸締りをするが、この日は閉店の時間を過ぎても、お店の明かりがついていた。 お店の営業は終わっていたが、アルバイトで働いていた中田舞の送別会が行われていた。 「みなさん、1年間ありがとうございました」 「ここ辞めて、次はどうするの?」 「叔母の家族がやってるペンションンの手伝いを。叔母が腰を痛めちゃったので」 舞の両親は、20歳の誕生日の日に交通事故で亡くなり、身内は叔母家族だけだと、バイト仲間に話していた。 突然フロアーの照明が暗くなった。 すると、厨房から誕生日ケーキを持ったマネージャーが現れた。 「舞ちゃん、誕生日おめでとう」 バナナやオレンジ、イチゴなどのフルーツがたっぷりのったケーキに、21本のろうそくがささっていた。 フルーツは、舞の大好物だ。 「ありがとうございます。あの、記念にケーキも入れてみんなと一緒に写真撮ってもいいですか?」 ポケットに入れていたスマートフォンを取り出す。 「舞から、写真撮ろうなんて珍しいね」 「だね。いつも遠慮して、写真撮る側を徹底してたのに」
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