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4枚の写真は、舞の笑顔と誕生日ケーキの21歳のデコレーションの数字は変わらないが、祝っているメンバーだけがどれも違う。
舞はゆっくり目を閉じた。
*****
「舞!何してるの?早くしなさい」
ママに呼ばれて、私は急いで家の階段をかけ下りた。
「髪型変じゃない?」
「変じゃないわよ。8時にお店予約したって言ったでしょ」
「パパは?」
「もう車よ」
私とママは急いで車に乗った。車で待っていたパパは、「舞の準備が遅いのはいつものこと」と笑った。
そして、車はレストランへ向かって走り出して、しばらくして、大きな音がして、大きく揺れて、世界がグルっと回ったんだ。
そこからの記憶があいまいで、目を開けると、真っ暗で、さっきまで車に乗っていたはずなのに、私は立っていた。
怖くて一歩も動けない。
すると、前方に小さな光が見えた。
その光はゆらゆら揺れながら近づいてくる。
じっと光のほうを見つめていると、それはろうそくの光だということが分かった。
その光を誰かが持っている。誰?
顔半分をフードで隠し、黒いマント姿の男。
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