12 サクラ 花びら 恋の舞

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そして、なんとなく私たちの間に沈黙が浮かびかけた時、 ふと、思い出したように先輩に言われた。 「そういえばアイツ、別れ際に、なんか変な事言ってたな」 そして、「女の子の勘って、なんの話だ?」とストレートに尋ねられる。 だが、やっぱりすぐには言葉が出なかった。 しかし、そこは先輩と後輩。 私としては、このまま黙っていることもできない。 だから、 「璃乃ちゃん、夏休み頃から不思議に思っていた事があったそうなんです」 「へえ?」 「なんかその頃から、先輩が、すごく嬉しそうにしてるって」 「なんだ、そりゃ?」 「しかも先輩が、璃乃ちゃんに、私の話をよくするって言っていて……」 「んん?」
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