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「だから、璃乃ちゃんの勘では、先輩が好きなのは私だろうって。
なんか、あのくらいの女の子って、すごい考えが飛躍しますよね」
アハハハ……。
完全に冗談めかして、笑い声すらあげたはずだった。
しかし隣を歩く先輩は、なぜか小さく沈黙をする。
そして間もなく、フッと苦笑が淡く零れてきた。
「ったく、ついこの前まで『ママ、パパ』ってベッタリだったくせに。
いつの間にか、マセやがって」
「まぁ、女の子は、男の子より遥かに耳年増ですからね」
しかし、さり気なく言葉を返した後、再び先輩が妙に沈黙する。
そして、
「けど、やっぱり女だな」
「えっ?」
「どんなに小さくても、勘だけは鋭い」
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