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そして、ハフハフと熱いグラタンを彼女が口に運んだ時、
ポツリと正面から先輩に言われた。
「マイカ。メールの返事出せなくて、ごめんな」
えっ?
いきなり飛び出してきた謝罪に、思わず私の視線が上がった。
そしてその視線の先には、困惑と戸惑いと躊躇いと
色々なものが交錯する、すごく複雑な先輩の顔。
だが、私がかぶりを振り返すよりも先に、彼は更に言葉を続けた。
「なんかさ、あれからマジでシャレにならねぇほどバタバタでさ。
その挙句に親父が入院して、今日は朝からコイツのお守りする事になってさ。
だから、今晩にでも連絡しようと思ってたんだ」
ごめんな。
そう言った先輩の視線が、ゆっくりと俯く。
その姿に、私は、にわかに焦った。
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