11 女の子の勘(つづき)

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「いえ、こちらこそ、お忙しい時にすみませんでした。 それに私も、実家で姉一家とバタバタしてましたから」 しかし、せっかく切り出されかけた会話もなんとなく途切れ、 また私たちの間に、ぎこちない空気が漂う。 そして、私の頭に浮かんできたのは、さっきの璃乃ちゃんの言葉。 色んな事が、上手くいかないって。 それで、美羽ちゃんにも、どう話そうかなって考えてるって。 これは、彼女との話がこじれたという事だろうか。 だが彼女の決断で、先輩たちには、もう障害となるものはなくなったはず。 第一、それを私に話すとしても、先輩が悩む事などないのではなかろうか。 どうしても変な思考が止まらなくなり、正直、食事は上の空になる。 そのせいだろう。 せっかく先輩が作ってくれたグラタンの味も、結局、よく分からなかった。
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