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わぁーい!
大きな笑顔になった璃乃ちゃんと、それからは学校の話などをしつつ
三人並んで、ゆっくり駅へと向かう。
そして、もう駅の姿も見えて来た所で、不意に薄暗がりから声が掛かった。
「璃乃?」
その声に真っ先に反応したのが、璃乃ちゃん。
「ママ!」
そして、スルリと私たちの手から離れると、
少し向こうに立つ女性へと駆け寄っていく。
それから程なく、璃乃ちゃんと一緒に私たちへと歩み寄ってきた女性が、
柔らかく頭を下げてきた。
「恭平くん、今日は、ありがとう。それと、えっと……」
私へ目を移し、言葉を切った女性に璃乃ちゃんが続く。
「美羽ちゃんだよ」
それを聞いた途端、女性の顔に、やんわりとした笑みが広がった。
「まぁ、貴女が……」
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