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そんなこんながあって先輩は俺に猛アピールしてきている訳だ。
そして俺は猛烈に後悔している。なんであの時の俺はあんなことを言ってしまったんだろう。平凡でいいじゃないか、非凡なんて面倒な事が起こるだけだ。
だが、今更無かったことにしてくれ。なんて言えるわけもなく、俺は久我先輩と帰り道を共にしていた。
先輩の手には2つの鞄が、片方は少しくたびれた薄いスクールバッグ、もう一つは数冊の教科書が入っている新しいスクールバッグ。
自分で持つといったが返してもらうことはできなかった。
「...先輩の家は本当にこっちの方なんですか...?」
先ほど俺の家を聞いた先輩に家の場所を教えると少し考えてから、先輩は「俺もこっちだ。」と言った。
「...あぁ。」
もし俺にあわせて遠回りなんてしていたら申し訳なくなる。そう思ったが先輩は何も言うつもりはないらしい。
ひとつ頷くとそれ以上は何も言わなかった。
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