藤田くんは平凡である

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「なぁ、田野。俺って平凡だよな?」 「なんだよ突然。そうだな、お前はかも無く負荷もなく覚えづらい顔だよ。」 「そうだよな。」 田野がなんだこいつみたいな目で見てくる。 いつもなら田野のいらない一言に突っかかるが、今はそれも出来ないくらい俺は悩んでいた。 俺なんかが関わると思いもしなかった。 そもそもホントにそんな事があると思わなかったし。 「はぁ...。」 深い溜息をついた時、教室の入り口から俺を悩ませる原因が俺の名前を呼んだ。 「藤田。」 綺麗に染まった銀髪にシルバーアクセサリー。 その割には制服は着崩してない。にも関わらず俺が着ている制服とは別物に見えるのはこの人のスタイルがずば抜けていいから。 「帰るぞ。」 その人は周りの視線をものともせず教室に入ってきて俺の席の横に立った。 きっとこの学校でこの人を知らない奴はいないと思う。 「久我先輩...。」
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