藤田くんは平凡である

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「帰るぞ。」 クラスの女子は黄色い声を上げ、田野の目は点になっている。 俺を見下ろす青い目。 やっぱ綺麗だよな、この目。とか呑気なことを考えているうちに先輩の周りに女子が群がってきた。 「久我先輩このあと暇ですか??私達と遊びに行きません??」 話しかけたのはこのクラスの派手目な女子の一人。 結構可愛いことで有名らしい(田野情報) だが、先輩は俺から目を離さない。 先輩の耳には何も聞こえていないらしい。 「...。」 「分かりましたから、今度からは教室に来るのはやめて下さい。」 「分かった。」 めっちゃ女子に睨まれているがそんなこと知らん。 「先輩!そんな奴ほっといていいじゃないですか!私達と遊びましょうよ?」 さっきの奴が先輩の腕を掴んだ。 うわぁ。やりやがったこいつ。 先輩の眉間に皺が寄った。 「先輩。帰るんでしょう。行きますよ。」 俺は帰り支度を整え席を立った。
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