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「落ちないように気を付けてね」
私は両手を川に伸ばしてチョコレートをすくう。すくった場所に顔を近付けてた。
「美味しいね」
「あぁ、飲んじゃったね」
チロルはにこやかに笑って言う。するとチロルは急に立つなり、両手を胸に交差させてそのまま後ろに倒れ込んだ。チロルは川に浮きながらこの船よりも先に徐々に早く流されていく。
「チロルー、チロルー?」
返事しても反応ない。いや、なんかおかしい。周りに流れていた小舟の周りに同じようにチロルのような者が流れていく。
私は恐怖心で体が震え始めた。
そして小舟のチロルが座ってた壁をよく見る。そこにはこう書かれていた。
『三途の川経由死に場所行きです。天国か、地獄かは行ってからの楽しみですよ。わくわくしますね』
私の体が激しく震える。
周りを見たら建物が立っている両道のちょうど真ん中をこの川は流れているようだ。
「このまま流されて死ぬぐらいなら……端まで行けば……」
私は川に向かって頭から飛び降りた。冷たいチョコレートが私を包む。
耳や鼻からチョコレートが入ってきた。
私はそのまま何も感じなくなった。
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