―目覚めた海王―

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そんなリヴァイアサンはかつて、古の時代、九頭龍に戦いを挑み、敗れ、その強大な力に畏れをなした九頭龍によって彼の身は海の神殿に封印され、彼が二度と復活する事がないようその神殿は海底深くに沈められたという… それから彼は長い間、ずっとそこで眠り続けているのである――… 物語は、その瑠璃姫とリヴァイアサンの運命の出逢いから始まる―…! *************** ―ここは、人間界・西アジアにあるとある海… いつもは穏やかな海も今日ばかりは酷く荒れ、上空ではゴロゴロ…と雷が鳴り響き、時に激しくカッと稲光が走る! それもそのはず…その海上には突如として大きな、神々しくも禍々しい雰囲気を醸し出す神殿が現れていたからだ… その神殿の中… カツン…コツン…カツン…コツン… まるで海の中を表すかのように幻想的で美しい水色に輝く大理石の床を歩く複数の靴音が、誰もいなく静まり返った廊下に響く… その1人は、漆黒の布を身にまとい、背には漆黒の悪魔の羽根がある美形の男で、その隣には漆黒のウェディングドレスを着ており、その頭には漆黒のベールを被っている女性がいて、彼はその女性の腰に手を添えながら共に歩いていた… そして、その男女の後ろには肩まで長い黒髪に口元には黒い覆面、黒い忍服を着用した男と、もう一人、ポマードを付けたような漆黒の短髪、そして鋭く伸びた爪と牙を持ち、その身にはタキシードを着用し、その肩には真っ赤なマントを羽織っている男がいて、後ろの男達は周囲を警戒するかのようにキョロキョロと辺りを見回していた…
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