1

2/2
前へ
/9ページ
次へ
余命1分の私は遡る。 一番幸福だった日を。 そこには、両親、夫、子供がいた。 見上げる夜空に願いをかける。 「また、みんなに会えますように」 死後の世界を信じている。 だから、ここから、一歩も動かない。 今、迫り来る死から抗ったりしない。 自分で決めた最期の瞬間。 母親に自分の名前を呼ばれた気がした。 私のカラダは、隕石衝突予測地の中心で、紅蓮の塊が放つ灼熱の陽光に照らされ熔けた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加