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四月中旬、私は夜空を見上げていた。満天にも輝く数多の其はキラキラと光を放つ、少しばかり暑い気温の最中、団扇でも持ってくれば良かったと後悔した。
パタパタと、仕方無く手を扇ぎながら時間になるのを待つ、刹那に流星が流れて私は慌ててお願い事をする。
「……あ、えっと!」
駄目だ、流星が早くて願い事なんて言えない、そう思っていると。後ろから声が聴こえ、振り返った。
「流星がまた見られますように」
私の願いとは、違い、純粋そうな願い。だから、この子の願いが叶いますようにと私は願った。
「ふふっ、あなたも流星見に来たの?」
「うん!お姉ちゃんもお願い事?」
あどけない笑みの少女は、左右に結われた髪をふりふりと揺らして訊いた。
「そうだよ、どんな願い事したの?」
「流星、一杯見れたら良いなって、だってそうしたら願い事も沢山叶うもん!」
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