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この時間なら誰も居ないよね?
お願い、少しだけ感情を吐き出させて。
でないと心が壊れてしまいそうだった。
先生の事が、好きだった。
憧れとかそんなんじゃなく、大好きだった。
笑った顔も真剣に怒る時も、大きな手とかゆっくり話す時の声とか。
もう全部、彼女だけのものなのだと思うと、哀しみで胸がヒリヒリと火傷してしまいそうな程に痛かった。
パタパタと涙が溢しながら声を殺して泣きに泣いた。
もう恋なんて出来ないと思うくらい、私の心は喪失感で埋め尽くされていた。
あと、数時間後にはもう試合。
さすがにみんな眠っているだろうと、勝手にそう思い込んでいた。
一体いつからそこに居たのだろう。
多分同じ県の男子代表校の人。
居心地悪く涙を拭いた。
早くどこかに行ってほしい。
なのになぜ、あなたは敢えて私の真正面に座ったの?
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