239人が本棚に入れています
本棚に追加
/95ページ
男からすれば
こうして初デートの約束をして、デート当日。
時間は21時。場所はアキの家からそう遠くないコンビニ。
夏の終わりの残暑の中、コンビニの目立たない場所に車を止めてアキを待つ。
今まで連絡を取り合ってた相手と初対面。この瞬間が一番緊張する。それは、何度も経験しても変わらないスリルだった。緊張と期待となんともいえない高揚感の中でタバコを吸うペースが速くなる。臭いといけないから窓を開けておこう、バックミラーを覗き込んで髪型は乱れていないか、こんな事してる最中に来ちゃったらどうしよう、と考えている間にタバコが終わる。火を消し、エアコンをつけて窓を閉める。
しばらくして…
コンコン
窓を軽くノックする音がして、助手席側を見ると笑顔で手を振っているアキがいた。
「こんばんは」
窓を開けて初めて顔を見て話し掛ける。
「こんばんは」
笑顔でアキが返す。
「とりあえず乗る??」
「あ、じゃ、おじゃましま~す」
アキがドアを開けて助手席に乗ってくる。
顔は薄暗くてはっきりは見えないが、写メと同じ感じ。特別キレイというワケではないが「全然アリ」だ。細身でスタイルも良かった。
「来てくれてありがと、奥さん大丈夫だった??」
「仕事って言ってあるから大丈夫だと思うよ。そっちこそ旦那さん大丈夫だった??家近いんでしょ??」
「今日もゲーセンだって。帰るのはいつも24時回ってからだから全然大丈夫だよ」
この会話が興奮する。お互いに家庭がありながら密会をしているという感覚…
最初のコメントを投稿しよう!