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静かな家の中、アキの姿を探す。
「アキー!アキー!俺だよ!ハルキだよ!どこにいるんだよ!?」
応答が無い。
「アキ………」
耳を澄ますと水が流れる音がした。
………
音の先に目をやると、そこは浴室の方だった。
慌てて浴室のドアを開ける。
目の前に飛び込んで来た映像は、浴槽から溢れ出す水が薄っすら赤く染まり、服を着たまま片腕を浴槽に突っ込んでぐったりしているアキの姿があった。
「アキ、アキ、」
急いでアキを抱き上げる。
その浴槽に突っ込んでいた右手首の付け根には、刃物で何度も切った跡があった。
そして、その身体には生気がなく、アキの体は青白く、冷たくなっていた。
アキを抱き抱えながら、体の中身が逆流してくる。
アキと食べたラーメンが半分消化された状態で逆流してきた。
オォォーエ、ヴォォエ、ぐぁふぁ、
そして浴槽には俺の吐瀉物が飛び散る。
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