過去ルート。思い出

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「…。」なんて胡散臭い中身なのよ。 しかも、今の私達にジャストミートじゃない。かなり危ないんじゃないの? 「あやめだってやり直せたらいいんじゃない?」 私は別に不満は…。ないわけではなかった。 裕ちゃんはプロサッカー選手。自由な時間は僅かなオフシーズンのみ。しかも、無駄に一流だから、リーグ戦だけでなく、チャンピオンシップや、ワールドカップなど多忙を極めていた。 そういう私も、プロピアニストとして、忙しかった。容姿だけでなく、演技力を認められて、女優としても活躍した。 裕ちゃんの引退を機に、私もドイツでの女優業から足を洗って、家族5人で帰国。 因みに、長女は、ドイツが合わないからと、高校入試を機に帰国。裕ちゃんの実家で大学に通っている。 次女は、私が専攻するクラシックではなく、アイドルになりたいからと、これまた高校入試を機に帰国。茜ちゃんの門弟にはいり、トップアイドルの仲間入りを果たしている。 私達夫婦と、三女、長男、四女の5人で帰国した後も、私達親は引っ張りだこ。 裕ちゃんはリーグ監督や代表監督。解説者として、私もテレビ業界から催促の矢をうけ、山口プロダクションから年に数件のドラマや映画の主演、助演を受けることに。 ここ、数年ようやく、二人でゆっくり出来る時間を持てるようになったけど、二人は既に50代半ば。楽しめることは限られていた。
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