僕にだけ見えないオバケ

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小学校4年生の時、僕の味方はお母さんだけだった。 お父さんは敵。 休みの日に一緒に遊んでくれたり、キャッチボールを教えてくれたり、釣りに連れてってくれたり、そんな皆のお父さんとは違ってた。 家族旅行の約束も、僕の運動会に来るって約束も、仕事が入ったからっていつも無かった事になる。 僕が学校で金賞を貰ったお父さんの絵、さすがに褒めてくれるかなとか、喜んでくれるかなと思ってた。 だけど、お父さんはちらっと絵を見て、そうかって言っただけ。 きっと、僕の事が好きじゃ無いんだ。 おじいちゃんも敵。 普段はあんまりお話もしないけど、僕が何かやらかすと飛んできて、凄い剣幕で怒るんだ。 イタズラとか、悪い事をした時だけじゃない。 お箸の持ち方が悪いって手を叩かれたり、ご飯を残して頭を叩かれたりもした。 僕はおじいちゃんが怖くて仕方なかった。 だけど、僕の友達や近所の子がうちに来て同じことをしても、怒ったりはしない。 きっと僕の事が好きじゃ無いんだ。
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