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町はもう壊滅状態。朝まで届いていた緊急メールにはそう書かれていた。中心部に撒かれた薬によってそこから次々と人間がゾンビになっていったらしい。中心部からズレたこの学校も時間の問題かもしれない。そう思った矢先、俺は人間ではない気配に気付いて咄嗟に隠れながら逃げている。
『そうだろそうだろ、モヘンジョーダロ!』
切迫した状況に精神が付いていけないのか、俺は唐突に、昨日聞いた仲間の一人、ミナトの冗談を思い出した。
『モヘンジョーダロ!懐かしい。地理な!』
『地理?地理だっけ?』
『そうだろそうだろ、モヘンジョーダロ!』
『え何それ、どした?』
『そうだろそうだろ、モヘンジョーダロ!!』
『ん?ミナト頭イッちゃったかな?ミナト~?』
『そうだろそうだろ、モヘンジョーダロ!』
最初は意味不明だったミナトの言葉。いや恐らくミナトも意味など含めていない。俺もアキラもキョトーンだったが、ミナトがそれを意地のように繰り返すから、だんだん可笑しくなってきて。
『そうだろそうだろっ、モヘン…ジョーダっっw』
『っつか、自分でウケてんじゃねーよっw』
『いや自分でウケるってwやばいミナト、チョーナルシスシスっww』
『いやオメーも噛むなよアキラ!モヘンジョーダロが何だよミナト!』
『そうだろそうだろ、モヘンジョーダっっぶふぅ!!そうだろそうだ、もっもへっへへっwww』
『ちょwやめろ!うつるwwww!』
『もへっ!ヤバいミナト!ウケるwwww!!』
意味の無い笑いは感染する。そのあともツッコミを入れながらも俺達は暫く笑いが止まらなかった。
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