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どうしたら良いか分からず、和哉は拓馬を振り返るが時は既に遅かった。
「コラッ! 和哉ッ! ご飯食べ終わったら父ちゃんの手伝いしろって言っただろ!」
和哉の母は拳を振り上げる。
「今行くとこだったんだよ。勘弁して!」
和哉は拳をかわして走って行く。
「まったく、和哉といったら。……拓馬君は家の手伝いしたのかい?」
和哉の母は拓馬をひたと見据える。
「はっ、はい! 今日は草むしりを手伝いました」
それを聞いて和哉の母は顔をほころばせた。
「そうかい。まったく、うちの和哉にも見習わせたいよ」
拓馬は和哉の母に会釈し、そそくさと自宅へ向かった。
拓馬もまた母親から勉強するように言われてたのを忘れていたのだ。
『嘘は言ってないから……嘘は……』
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