3/5
98人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
「あのお子は元気やぞ…ハク」 空中に留まり病室の男の子を見るクロは、なんだか少し寂しそうに笑った 「当たり前か…お前が命をかけて助けたんやもんな…」 神社の方角を横目に、あの時の情景を思い出していた ********** 突然現れた目映い光は、鳥居を中心に辺りを明るく照らした 胸騒ぎを覚えたクロは急いでその場に駆けつけるが、光は徐々に収まると同時に銀色の光となり空高く走り去り 辺りは元の暗闇に戻った 「ハク!」 光が去った先を見ていたクロは鳥居の下にいる男の子を見つけ、起こさないよう抱き上げた 男の子は無事のようで気持ち良さそうに寝息をたてている 「ハク…」 顔を歪めたクロは空高く見上げる 「…安心しい…お子は無事やで…」 ・・・熱いものが頬に零れ落ちた・・・
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!