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「あのお子は元気やぞ…ハク」
空中に留まり病室の男の子を見るクロは、なんだか少し寂しそうに笑った
「当たり前か…お前が命をかけて助けたんやもんな…」
神社の方角を横目に、あの時の情景を思い出していた
**********
突然現れた目映い光は、鳥居を中心に辺りを明るく照らした
胸騒ぎを覚えたクロは急いでその場に駆けつけるが、光は徐々に収まると同時に銀色の光となり空高く走り去り 辺りは元の暗闇に戻った
「ハク!」
光が去った先を見ていたクロは鳥居の下にいる男の子を見つけ、起こさないよう抱き上げた
男の子は無事のようで気持ち良さそうに寝息をたてている
「ハク…」
顔を歪めたクロは空高く見上げる
「…安心しい…お子は無事やで…」
・・・熱いものが頬に零れ落ちた・・・
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