第三章 / Tercer Capitulo

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「不甲斐ないにも程がある」 「世界レベルでも稀に見るヘタレですね」 「もういっそのこと、こちら側へ来たらどうかしら」  なぜだろう。いつの間にかオッサン達の連携に磨きが掛かってる気がする。物凄く。  ここは、馴染みの鉄板料理の店「虎鉄(こてつ)」。夕方までアスティと過ごした後、なぜだか無性にマスターの焼きそばが食べたくなって、ふらりと足を運んだ。  いま、オレの正面には、カウンターの中で溜息つきながら腕組みしてるこの店のマスター。そして、左にはなぜかアスティの職場の同僚であるヴィクトル。さらに、右にはバー「delay(ディレイ)」の店長という席配置。  つまり、いつの間にか集まってきたオッサン三人の布陣に取り囲まれて、オーラル絨毯爆撃に晒(さら)されること、かれこれ二時間という状況。  オレ自身、思い当たる節が多々あるのでろくに反論も出来ないまま、完全にコイツらの酒の肴にされるがままになっている。そろそろ釈放して欲しい。
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