第三章 / Tercer Capitulo

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 なぜだろう? 彼女が外国人だから?  それとも、人種が違うから?  自分の胸に問う。確かに彼女とオレには違うところがたくさんある。でも、それは彼女が日本人だったとしても同じことだろう。要は程度の問題だ。  それに、彼女との違いを見つけるのは、むしろ楽しいと感じる。少なくとも、言語の違いは努力でカバー出来ることを、この半年で彼女と一緒に学んだ。  国籍の違いがもたらすものは何だろう。会いに行く為にビザが必要? 渡航費用が掛かる?  そんなことはいま考えても仕方ない。  何が引っ掛かっている? 美人過ぎることか? これは多少、自覚がある。人並みな容姿と恋愛経験しか持たないオレは正直、彼女に気後れしている。でも、なぜだかわからないけど、彼女自身は自分の容姿をあまり誇っていないらしい。  後は、彼女の性格?  掴み所がないというか、知性と無邪気さがアンバランスに同居していて、持て余し気味だ。でも、それも彼女の魅力だと感じる。  ダメだ。オレはどうもグダグダ考え過ぎる癖がある。答えはきっとシンプルで。立てるべき問いもさらにシンプルなはずだ。  それはきっと……
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